譲渡担保とは?
譲渡担保というのは、債権保全のために、
ある財産権を債権者に譲渡する形式の物的担保のことをいいます。
譲渡担保は、
民法の規定にはありませんが、
取引の慣行から生まれ、
判例学説によって認められた担保です。
不動産の譲渡担保は?
債務者は、
債権者に譲渡担保に供した目的物を
そのまま使用収益できるので、
生産財等について多く設定されます。
また、譲渡担保は、不動産についても用いられ、
登記原因を「譲渡担保」とすることも認められています。
譲渡担保の債務が完済されると?
債務が完済されると、
目的物の所有権は債務者に復帰します。
しかしながら、債務が弁済されない場合は、
債権者Aはこれを第三者に売却し、
または自己の所有とすることによって、
優先弁済を受けることになります。
ただし、債権者Aは、
債権額を超える部分の清算をしなければなりません。
債務者の他の債権者が目的物を差し押さえたら?
債務者に、上記以外の債権者Bがいて、
その債権者Bが目的物を差し押さえた場合は、
債権者Aは、
第三者異議の訴ができます。
譲渡担保の禁止とは?
譲渡担保の禁止というのは、
次のような場合には、
担保の目的で
その宅地や建物を譲り受けてはならないというものです。
⇒ 『宅建業者が、自ら売主として宅地や建物の割賦販売を行った場合において、
その宅地や建物を買主に引渡し、かつ、代金の額の10分の3を超える額の
金銭の支払いを受けた後』
なぜ譲渡担保を禁止しているのですか?
宅建業者がいったん所有権を買主に移転してから、
再度、残代金の担保手段として、
その不動産の所有権を譲り受けることは、
買主にとって宅建業者の倒産や
二重売買による危険があるので、
譲渡担保を禁止しているのです。